多芸な超望遠

XF100-400mmは超望遠ズームというカテゴリに分類される。まず連想されるのは、スポーツや野生動物、航空機などの撮影かもしれない。たしかに非常に個性的なレンズゆえに、その用途を限定的に考えがちになっているような気もする。そういった被写体に興味のない方には、無縁なレンズなのだろうか?

実はそもそも、XF100-400mmは商品企画の初期フェーズより"三脚も一脚も要らない"だの、"手持ちで撮影が楽しめる"という言葉が交わされていた。そこには長焦点距離のレンズの活躍するフィールドを、拡大させたいという意図がある。

そもそも100-400mmという焦点距離は、超望遠ズームとも言えるが、4倍ズームとも言える。実はXマウントレンズの中でも4倍以上のズーム比を持つレンズは、XF18-135mmとXC50-230mmしかない。21本のXマウントレンズ中で3番目に広いカバー範囲を持っているレンズなのだ。ハンマー投げの選手が、実は100m走も速く、立ち幅跳びの記録も持っているよう感じだ。ここでタイトルに戻ろう。XF100-400mmは実は多芸だ。

まずは、風景撮影だ。

超望遠レンズといえど、4倍のズーム比ともなると、じつはかなり柔軟性が高い。被写体をパターン化した抽象的な表現は風景撮影でよくとられる手法だが、どこからどこまでいれて構成するかズームリングを回しながら考えてみるのも悪く無い。400mmの画角に慣れた目には、100mmがびっくりするほど情報量をもっていることに気がつくこともあるだろう。

もちろん100mm付近なら、ポートレートでもよく使う領域だ。それからマクロ撮影を試みることもできる。鳥や動物、飛行機など、動く被写体を狙っていた時とは違い、じっくりと構図を考えながら撮るのも悪く無い。撮影倍率こそマクロレンズには譲ることになるが、ロングレンジからでも撮影を試みることができることは大きな強みだろう。

それから、その機動性を活かしてもっと街歩きに使ってみてはどうだろうか?圧倒的に狭い画角。それは"フレーミング"という自分だけの視点を見つける行為を、強烈に意識させる。どこを見ているか、何を見いだすのか。

そして、何と言っても望遠レンズであるというのが有り難い。一流のスナップシューターは、被写体の間合いへとスッと入り込む技を持っている。それはその人ならではのキャラクターであったり、被写体の気をそらすテクニックであったりするが、なかなかおいそれと身に付けられることでもなく、"意外と難しいスナップ"と言われるのだが、望遠レンズならば気取られずに撮影することも容易いだろう。とはいえ、撮影後にはきちんと被写体に一声かけることを忘れずに。

関連製品情報

XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR


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