AFは”さらに”速くなったのか?

ついにX-T2が正式発表された。各種のスペックがついに公開され、各地のショールームなどでは実機の展示もはじまっている。早速手に取られた方もいらっしゃるだろう。どうやら、彼らの興味の中心の一つは新しいAF-Cカスタム設定を中心としたAF性能のようだ。ここでもまた”なんだかAF速くなってるような気がする”、とか”これなら動体も狙えるか?”というような議論も活発に行われているようだ。

さて、AFは”さらに”速くなったのか?という問いに対する答えは、残念ながら”NO”だ。あいかわらずAFの最速値は0.06秒。

しかし、それでもやはり”X-T2を使うと、なんだか速くなってる気がする”という方はいるだろう。

そんな方は以前このコーナーで書いた、”AFは速くなったのか?”という記事を思い出して欲しい。

”最速AF時間”を達成するための、必要条件である位相差AFの駆動。というくだりだ。そう、X-T2の新アルゴリズムでは、この位相差AFを使ってAFサーチをする条件がまた拡大しているのだ。

今回の進化点は、低コントラストな被写体、高周波の被写体に対するタフネスが更に強化されていることだ。X-Pro2でもかなり改善されたが、具体的には野生動物の毛や羽毛などへのAF合焦性能が飛躍的にあがっている。

ミラーレスカメラは、位相差AFが効かない場合は即座にコントラストAFに切り替わりサーチを続けるので、”AFが合わない”ということはまずないが、”なかなか合わなくてイライラする”ということになる。

実際のところ、FUJIFILM社内にあるテスト環境での結果では、こういった被写体の1/3でしか位相差AFが効かず、残りの2/3のケースでコントラストAFに切り替えざるをえなかった。

デバイスの能力に不足があるわけではない、制御系でまだ煮詰めるべき部分があることは開発者の意識にはあった。しかしながら、アルゴリズムの構築・改良というのは地道な作業だ。

苦手な被写体を模したチャートをいくつも用意し、シーケンス、パラメーターを微調整した実機で何度もテストを行う。ある程度のメドがつくとフィールドテストに向かう。自然界にあるものは、やはりチャートとは違うからだ。天気がいい日はテスト日和、でも天気が悪い日もやはりテスト日和だ。それがフィールドなのだから。

AF制御開発というのは、いつもいつもこういった作業を繰り返すことになる。しかし、デバイスの性能を最大限に引き出すことはユーザーへの誠意でもあるし、開発者のやりがいでもある。

果たして、彼らの努力はどう実ったのかというと実に”2倍の性能”を実現した。具体的にいうと、先のテスト環境では1/3のケースでしか位相差AFを使うことができなかったが、改良されたアルゴリズムでは2/3以上のケースで位相差AFを使う。

まだ残り1/3弱のケースでは、どうしてもニガテとする被写体・パターンがあるようだが、我々はAF開発者のサガに期待して、全てのケースをマークする日を待ちたい。

さて、機械的な話をすると、このアルゴリズムはX-Processor Proに搭載される技術だ。オンチップで処理されるので、非常にクイックな動作ができるわけだ。

となると心配になるのが、”X-T2じゃないとこの性能を得られないのか?”ということだろう。

安心してほしいオンチップ処理と言えど、書き換え可能な”DSP”という回路でこのアルゴリズムは処理されている。つまり、ファームウェア・アップデートで更新可能なのだ。

同じX-Processor Pro搭載機であるX-Pro2でも、この進化したアルゴリズムの恩恵は得られる。現在、最終的なチューニングや実装上のテストをおこなっているのところだが、10月には新たなFW Ver2.00として公開されるだろう。期待して待とう。

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