Xシリーズと母なる自然への冒険 -Daniel Malikyar

写真家になると決意した時、同じような作品であふれかえるネットで存在感を示すため、他とは違う作品を撮ることを心の中で誓った。そのためには、あらゆる手段で、写真撮影を敢行する。時には、見たこともないような美しい日の出を撮るために、危険な山道を夜通しで登るときもあれば、地上から2,000フィート上の廃墟となった橋からぶら下がることもある。タイムレスな瞬間を撮るために私は、生きている。これらの経験を通じて、写真は、私にとって生き甲斐であることを学んだ。今回は、その生き甲斐に従い、Xシリーズを手に持って2人の友人と共にロサンゼルスからシアトルへ旅立つ計画をした。

火曜日の午後、ロサンゼルスを出発し、オレゴン州を目指す。16時間一睡もせず、最初の目的地Abiqua Fallsに到着。今回の旅行は、幸いなことに4WDのジープだ。目的地まで、長いことオフロードだったが、心配無用だった。小雨が降る中、ボロボロのスニーカーで、オレゴン州の自然のなかを歩いていく。いままでの人生で見たこともないような巨大な木々と緑に囲まれていた。川へ辿り着くまでの下り道はとても急で、老木に取り付けられたロープを頼りに降りていく以外方法はない。さらに、最後の100メートルは、ロープもない、ぬかるんだ地面だった。最初の一歩でバランスを崩し、100フィートくらい滑り落ちた。洋服はボロボロになり、手に傷を負ってしまった。しかし、なんとか川までたどり着くことができたので、川沿いを歩いて滝を目指す。Abiqua Fallsに行くのは初めてだ。角を曲がって、初めてその滝の姿を目にしたときは、その美しさに圧倒されてしまった。

それは、まるでこの世の景色とは思えなかった。すぐに、どうやってこの美しい景観を写真に収めるかアイディアをひねる。水が地面にたたきつけられ、水しぶきがカメラレンズを襲う。この環境での撮影は、困難を極めたが、防塵・防滴構造のX-T1と高性能なXF10-24mmF4 R OISのおかげで、レンズが完全に曇る前に、思い描いた画を撮ることができた。
Abiqua Fallsの次は、オレゴン州を代表するMultnomah FallsとLatourell Fallsを目指した。この2つの滝は、お互い近距離にあり、難関なハイキングもなかった。しかし、その圧倒的なスケール感は、母なる自然の偉大さを知ら示す。そして、そのスケール感を写真で描くかは私の実力次第だ。48時間もの間、寝ずにここまでたどり着いた。滝を後にして、ポートランドで友人と落ち合い、地元の有名なブルワリーへ連れて行ってもらった。数時間休憩した後、写真旅行は再び再開した。

数時間寝て、シャワーを浴びて、コーヒーを飲んで再び車に乗り込む。次の目的地は、ワシントン州。Rowena Crestで日の出を撮ることができた。X-T1の広いダイナミックレンジのおかげで、ありのままのトーンと色を写真に捉えることができた。Rowenaの次は、オリンピック国立公園を目指す。その途中、熊やバイソンに遭遇した。これほどにも大きな動物を近距離で見るのは、初めてだった。コンパクトなX-T1のおかげで、ポケットからすぐにカメラを取り出し、シャッターを切ることができた。オリンピック国立公園は、まるで「猿の惑星」のような映画の世界だった。XF16mmF1.4 R WRで、この大自然を細部にわたり取りこぼすことなく写真に収めた。

オリンピック国立公園を探検した後は、シアトルにいる友人宅で少しの間休憩をした。次の日に予定していた冒険のことで、心配になりながら・・・。数時間寝た後に、あの悪名高い廃線となったVance Creek Bridgeへ向かい、日の出を撮る予定だ。Vance Creekは、注意を怠ると危険が伴う場所だ。侵入者は捕まると高額の罰金を支払うことになる。だが、そんなことで、我々があきらめることはない。この橋で、写真を撮る決意をしたのだ。ほとんど寝ていないのに、高まる興奮で体調不良など一切感じなかった。そして、たどり着いた目的地で目にした光景は、今まで見てきた廃墟となった風景のどれよりも圧倒的だった。慎重に、橋の下へ足を運ぶ。あらゆる角度から写真を撮り、最後は、橋の隅から身を乗り出し、下を眺めながらシャッターを切った。このめまいを誘発する画角の写真を、旅先でよく撮影する。

この画角は、この地を征服したような気にさせてくれる。最も広角なレンズXF10-24mmで、この最後の1枚を撮影をする。Vance Creekを後にして、シアトルへ戻ってからは、R44ヘリコプターに乗り込み航空写真を撮った。ヘリコプターから航空写真を撮ることは初めてではないが、不慣れな街で厳しい光の下で撮影するのは初めてだった。しかし、X-T1とXF10-24mmは、期待を裏切らない。高速でかつ正確にピントを合わすことができた。撮影終了後、まもなく日が沈んだ。それは、この数日間、美しい風景をこの素晴らしいカメラシステムで写真を撮ってきた旅が終わりに来たことを意味した。友人宅で一晩過ごした後、ロサンゼルスへ戻る20時間のドライブが待っていた。

このアメリカ北西部の旅のほかに、昨年12月には、カナダのアルバータへXシリーズと共に旅をする機会があった。極寒の環境にもかかわらず、このカメラは問題なく動作した。Yoho国立公園から戻る際中、気温マイナス20度の環境のなかを時速100キロで動く車から、私は身を乗り出しシンメトリックな道路を写真に収めた時があった。帽子は吹き飛び、顔は真っ赤になり、強風が吹きつけている中、カメラは普段通りに高画質な写真を創りだしてくれた。

旅の醍醐味は、私が体験を写真に収めることにある。そうすることで、思い出が忘れ去られることもなくなり、皆と共有することもできる。X-T1とXFレンズのおかげで、カナダ・アルバータ地方への旅と、アメリカ北西部への旅をドキュメントすることができた。コンパクトながらもたくさん機能が積まれたX-T1は、今まで使ってきたどのカメラよりもユニークな存在だ。とくに、LCDがチルト式であることが気に入っている。反射が厳しいときやビューファインダーを覗けないような画角でも、簡単に撮影することができるからだ。XFレンズもとても良いレンズ群だ。カメラとマッチしたデザインやカラー、シャープネスなど画質の面でもとても高性能だ。オートフォーカスも正確だし、どんな被写体に向けても反応してくれる。Xシリーズで撮影できたことをうれしく思う。コンパクトでデザイン性の良い次世代のカメラを求める写真家にはお勧めなシステムだ。

写真家について

Daniel Malikyar

ロサンゼルスを拠点に活動する23FIFTNのクリエイティブディレクター兼ビジュアルアーティスト。
ビジュアルを通じて、彼の冒険を物語ることに情熱を注ぐ。拘りに陥らないように、どんな被写体にもカメラを向けプロジェクトを敢行することを楽しむ。今まで見たことのないようなアングルや、普段踏み入れることのない風景の作品を通じて、ビューアーの感情を解き放つ。完璧な瞬間を捉えるために、普通よりも極端な行動にでることが多い。世界中のメディアから注目を浴び、全米で放送されるFOX 11Newsに、2015年11月インタビューされる。2015年から富士フイルムと共同作業を開始。瞬時にXシリーズに魅了される。デザイン性、安定性、シャープネス、高画質などがあいまって、一眼レフから移行することに躊躇しなかった。世界中を旅し、写真を撮ることを夢見る。人との出会いや、未知の世界、文化からの刺激を日々楽しみにしている。

関連製品情報

FUJIFILM X-T1
XF10-24mmF4 R OIS


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