新標準ズームで撮る風景写真
日本の自然風景を撮り続けて、かれこれ50年になります。若い頃は中判のフィルムカメラで全国各地、津々浦々の景色を撮り歩きましたが、今は日帰りで行ける範囲を、使いなれたXカメラで四季折々の自然の表情を撮影しています。
私が写したいのは風土です。地域で異なる空気感など、言葉では表せないニュアンスを描写するには軽便な道具と一心同体にならなければできません。今回、それにうってつけの小型軽量レンズXF16-50mmを試せるというので、さっそく頼れる相棒のX-T5にセットして出かけることにしました。
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ここは私のホームグラウンドともいえる大沼公園です。寒さは日ごとに厳しくなり、張りつめた空気に身も心も引き締まります。
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湖面は部分的に薄氷が張り、雪は積もったり解けたりを繰り返しながら、さまざまな模様を描きます。こんなとき湖畔を散策しながらスナップ撮影するのに最適なのが X-T5とXF16-50mmの組み合わせです。小型軽量で携行性に優れ、繊細な描写力で応えてくれます。
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真冬になると湖面は全面結氷し、もう春まで解けることはありません。氷の厚さは30センチにもなり、その上に雪が積もったモノトーンの異空間。音もなく、まさに禅の世界を感じます。
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久しぶりに晴れてくれました。冬場の晴天は貴重です。
引きに余裕がなく、今まで18-55mmのレンズでは写しきれなかった画角がXF16-50mmで可能になりました。広角側の2mmのワイドはありがたいです。
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今朝の冷え込みはマイナス15度。かじかむ寒さの中で、霜や氷の表情を手持ちでグッと寄って撮ってみました。再生画像を拡大してみると、足元の現実以上のリアルさに驚かされました。4000万画素を超える解像力は心強い味方になります。
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大沼公園の次に向かったのは冬の海です。「静」の湖に対比させるべく「動」の海を撮るために、冬の津軽海峡と荒れる日本海に挑んでみました。
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冬の日本海は風が束になって吹きつけることから「束風」と呼ばれる烈風が暴れまくり、晴れていても突然、立っていられないほどの吹雪に襲われることもあります。
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烈風は容赦なく吹き荒れ、機材も人も雪まみれになります。そこで頼りになるのは防塵防滴構造のレンズと、カメラボディの7段の手ブレ補正機能です。さらに、ズーミングしても繰り出しがない全長一定のズームレンズは安心して撮影に集中できます。
岩にへばりついていないと飛ばされるような苛酷な状況でも、そのおかげでブレのない写真が撮れました。
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海はまだ荒れていますが、吹雪がおさまると雲間から光が差してホッと一息。
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冬の日本海に挑んでいたのは私だけではありませんでした。釣り人もお気に入りの竿で、絶景を独り占めにして楽しんでいるようです。
いい道具は裏切りません。道具は使いこなすことで良き相棒になってくれます。そして、使い終わったら入念にメンテナンスをしておけば、次のチャンスに必ず応えてくれます。