ファインディング・ノース
FUJIFILM X100Vを初めて見たとき、その外観に完全に一目惚れしました。軽くて繊細で、富士フイルムの往年のカメラを彷彿させます。
私は一ヶ月後、中国の最北の国境に位置する漠河市(モヘ)を訪れることになっており、私の手の中に収まってしまうその小型軽量サイズにある種の不安を覚えました。漠河市は、中国の北極圏として知られています。冬の最低気温は-53度に達することがあります。
この小さなカメラが極限の環境に果たして耐え得るのかが気がかりでした。冬の漠河市は極夜のようで、ほぼ太陽が昇りません。午後4時には日が沈みます。毎日の撮影は暗く、極寒の過酷な条件下となることが容易に予想できました。
FUJIFILM X100Vはその不安をすぐに払拭してくれました。この過酷な条件下での撮影を難なくこなしてくれました。毎晩-30度での撮影が続きましたが、問題なく動作してくれました。低照度下でも、画質は良好です。
私は漠河市の出来うる限りの風景を写しとめ、地元の人々の生活を体験することが出来ました。
風景写真、文化写真、極地写真、すべて素晴らしい表現方法だと思います。この小さなカメラは一台でそのすべてに対応してくれます。