GFX100RF x ワラン・スワンノ

2025.03.28
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富士フイルム GFX100RFは、このタイプのカメラがあるべき小型のレンジファインダーです。重さは約735グラムでシンプルなデザイン。さらに、実用性を兼ね備えています。このカメラはミーリング加工で棒状のアルミから製造されます。これによりトッププレートが一体となり、非常に耐久性があります。サブ液晶モニターはなく、マイク穴は小さめです。アルミの塊を削り出して作られます。換言すると、部分ごとのつなぎ合わせやネジ止めはありません。富士フイルムがこの製法を用いた初のカメラです。写真を撮るとき、本当に1つの塊のように感じます。

ボタンやカメラコントロールは、よく考えられて配置されています。限られたスペースでもいい働きをします。水滴や埃、湿気が干渉する隙間は、露出補正ダイヤルや主要機能を調整するためのつまみのみです。富士フイルムは、レンズフードとフィルターを使用すれば防塵防滴になるとしています。

ボタンは多すぎもせず、小さすぎることもありません。よく使うボタンは単に見た目だけでなく、簡単に使用できます。レンズには素晴らしいコントロール機能があります。メニューを開いて、好みに合わせて変更できます。美しくコンパクトであるのに加え、機能は至れり尽くせりです。状況によっては、不要なものもあるかもしれません。しかし、きっと気に入る人もいるでしょう。容易に調整できるからです。

個人的には、露出補正ダイヤルが大きくて使いやすいと感じています。とてもシンプルに撮影をコントロールできるダイヤルで、評価に値するでしょう。あまり考えすぎずに、集中できます。

例えば、クロップの距離を調整するためのデジタルテレコン切換レバーは非常に使いやすい位置にあります。また、他の機能を調整できる前面のレバーもあります。操作性を向上させるために、レバー付近にボタンを配置しているので、スペースに無駄がありません。

クイックメニューボタンのデザインは非常に優れています。頻繁に使用するボタンなので、押しやすい位置に配置されています。押しやすい位置だと偶発的に触れてしまうこともありますが、ボタンはハンドルの表面よりも奥に配置されています。ビューファインダーから目を離すことなく使用でき、美しさと両立した巧妙なデザインとなっています。

外観のデザインは、すべての点で優れています。すべてのユーザーにとって扱いやすいでしょう。ハンドグリップは十分な握り幅があります。レンズを取り付けるとより安定するため、後付けのグリップは不要です。何かを付けると複雑になり、このカメラの魅力を損なってしまいます。

組み立てに使用される材料は強く、各ボタンに刻まれている文字は非常に印象的です。ホットシューカバーもしっかりと収まり、取り付けるとボディと同じ色と素材で統一されます。それだけで本体のラインを保てるため、装飾は必要ありません。

ビューファインダーはうまく機能し、非常に柔軟に使用できるように設計されています。突出していないので、衣服と擦れることはありません。視度調整ダイヤルは邪魔にならず、瞬時に使用できます。ビューファインダーは、明るさ、色調、彩度を調整できるEVFで、アイセンサーもあります。これにより自動的にビューファインダーをオンやオフにできますし、手動でオン・オフにできる複数の設定もあります。

アスペクト比切換ダイヤルで画像の縦横比を調整できる点が気に入っています。このダイヤルのおかげで、画像の構図に対する見方が変わります。あとでトリミングすれば問題ないと思う人は、下の文は読み飛ばしてください。

自分にとってこの機能は、あとでトリミングするのとは異なります。撮影する範囲が変わると、画角も変わります。カメラの高さにも影響します。前景や背景も変わり、違うアスペクト比にする必要があります。また、焦点距離も変えたくなるでしょう。今の設定では、アスペクト比とクロップのフレーミングの両方が機能し合っています。うまく協調しています。さまざまな異なる種類の写真を撮ることもできます。個人的には、最初のうちは重要だと感じていませんでしたが、これら2つは試し撮りでよく使う機能となりました。

3:2 / 16:9 / 65:24 / 17:6 / 5:4などで調整できるフォーマットのうち、最も頻繁に使うのは65:24です。私はパノラマをよく撮るため、この画角がお気に入りです。この比率で撮影すると、写真の画角が変わったことを実感できます。

このカメラはサラウンドビュー機能を搭載しており、撮影範囲の外側を半透明または黒で表示できます。新しい異なる方法で画像を見ることで、明確になります。音の中にある写真に変化をもたらします。楽しく、撮影アングルを見つけやすくし、画像の構図を変えることができます。

このカメラ用にデザインされたストラップは、肩から胸に掛けて使用できるほどの長さです。カメラを手で持ったり、背中側に掛けて移動したりでき、写真を撮る際に使い勝手がよいです。

このような用途を考えてデザインされているようです。首にかけても長すぎず、ストラップ自体が太すぎることもありません。低い位置で撮影する際、ストラップを手首に巻いてモニターをたたんだ状態で構えても、首に掛けられる余裕があります。

液晶モニターは非常に薄くて動きもスムーズです。カメラ本体にしっかりと収まり、作りも丈夫です。

35mmF4.0レンズはフルサイズでは28mm相当で小型、コンパクトなうえに一体型で完璧です。長すぎず邪魔になることはありません。四角いフードを装着することができ、フードなしの状態よりも柔軟に撮影できます。

カメラにはフロントリングが同梱されています。フードやアダプターリングの代わりにこれを装着すれば、より小さく見えます。ですが、フィルターは装着できません。とはいえ小型なので、カメラをバッグに入れて持ち運ぶことができます。そして、簡単に取り出してすぐに使えます。

焦点距離は35mm判換算で約28mmに相当し、視野角は標準的です。広すぎず狭すぎず、4:3の写真では、3:2と比較して画像のストーリーを伝えるのに優れたスペースとなります。ラージフォーマットセンサーで使用しても、ちょうどよい寸法の画像を保ってくれます。

絞りリングには回しやすいように2か所の突起があります。これらは容易に回せる位置にあり、短くできているため、指に引っかかることもありません。優れたデザインで、問題とは無縁です。

レンズは小型ですが、品質は非常に優れています。レンズによる拡大は非常に的確で、102メガピクセルの解像度により、ズームすればブレなどを見つけられます。

加えて、絞り値がF4.0からF22.0までと広く、端までシャープな写真を実現します。完璧な距離感を実現する設計であるがために、回折現象による歪みが生じることがあります。画質に影響しますが、容認すべきでしょう。撮影に没入すれば、フレアや収差をコントロールできます。

フォーカスに関しては、さまざまな光条件下でうまく機能し、広角でも異なる焦点で合わせることができます。人の目を検出できるうえ、フォーカスレバーやタッチパネルでも操作できます。このカメラの特徴とフォーカスを考慮すると、合格点を挙げたいと思います。

他の要素を加味すると、非常に完成度の高いカメラだと言わざるを得ません。お墨付きです。仕事で訪れたのではなく、癒しと幸せを求めてここに来ました。カメラを手にして写真を撮ったり、座って眺めたり。

私にとっては、素材や扱いやすさ、外観、完璧さ、洗練さ、丈夫さにおいて10点満点です。「幸せ」を生むためのデザインがうまく施されています。全用途に対応したカメラであるとは言いません。そして、私自身もそうではありません。どこにでも持って行きたくなるほど美しく、軽くて使うのが楽しいです。レンズの範囲は使い勝手がよいです。クロップしても編集に差し支えないピクセルを維持でき、GFX 100 IIの102メガセンサー譲りのファイルは、正確さにおいて心配無用です。

おわりに

それぞれのカメラには異なる機能があります。カメラにおいて最高や最悪はありません。ユーザーや作品に合ったカメラ、あるいは合わないカメラがあるだけです。

個人的に、GFX100 RFは、このカメラの目的を完璧に達成したと考えています。デザインの概念、材料の選択、製造方法、カメラ全体の外観は、メーカーが意図したとおりに仕上がっています。

それがユーザーに合っているかどうかは、ユーザー自身にしか分かりません。