
開発秘話vol.04 コンセプトを昇華させるデザイン
カメラは写真を撮る道具でありデザインは必要ないという考えは誤謬だ。カメラは単なる道具ではないし、デザインの役割は飾りにあるのではない。優れたデザインは所有欲を満たし、写欲を刺激すると同時に、そのカメラの性格を表すものだから。
特にレンジファインダースタイルのカメラにとって、魅力あるデザインは欠かせない要素だ。
心を掴むデザインがあってこそ、自然と毎日持ち歩くようになり、素晴らしい瞬間をファインダー越しに目撃する。心を掻き立てるデザインが、小型軽量を極めるGFX100RFに命を吹き込む。


レンジファインダースタイルとしてX100を指標にしつつ、ラージフォーマットならではの風格や貫禄を纏っていること。富士フイルムが送り出してきた過去の名機たちへのオマージュとしての面影、扱うたびに喜びが感じられるディテール。多くのことが繊細なバランスで共存することがデザインに求められた。

GFXに趣味性を持ち合わせるため、カメラ正面に連なる三つのレバーやダイヤル、アスペクト比切換ダイヤルなどの操作系に特徴を持たせた。アスペクト比切換ダイヤルは中判カメラの歴史を振り返る意味でも、ヘリテージを感じさせる重要な要素であり、本機のシンボル的な役割を果たしている。

レンズ位置、そしてカメラ正面のレバーやダイヤルとつながるグリップの形状など、子細に渡る微調整により調和を求めた。

時間とコストを惜しまず、当社デジタルカメラで初めてカメラ軍艦部分をアルミの塊から丁寧に削り出して加工したことは、最大の特徴である。カメラ軍艦部のみならず、フード、絞りリング、ホットシューカバー、電池室の蓋に至るまで、無垢の金属から切削した金属の質感を纏い、クオリティに妥協はない。

金属本来の手触りは、冷たさを感じつつ手の温もりを記憶してゆく。カメラ軍艦部と底面プレートに見られる鋭いエッジ、プレスや型抜きでは実現できない精緻さと剛性感、それらによって手から伝わる喜びは撮影者の心を満たす。

精緻でありながら優しく、無骨さを持ちながら洗練されている。このカメラのデザインは撮影者をフィールドへと掻き立てるだろう。
そうしてカメラを構え、絞り、ダイヤル、レバー、アスペクト比切換ダイヤルを操作してカメラと繋がって欲しい。GFX100RFを操作する度に、クリエイティブな心が刺激されてゆくことを願って。