開発秘話vol.03 新開発35mmF4レンズ

2025.03.24

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開発秘話vol.03 新開発35mmF4レンズ 

GFX100RFの小型化に最も寄与しているのは新設計の35mmF4のレンズだ。 

一体型にすることでバックフォーカスを短く、2枚のガラスモールド非球面レンズを用いることで解像力を保ったまま小型化に成功。GFXでは初となるフォーカルプレーンシャッターに代わるレンズシャッターを採用して生まれたスペースを、最大限に利用することができた。 

フォーカスを動かすための部品を前側に集めることによって生まれた、先に向かって細くなっていくシルエットは、レンジファインダースタイルと見事にフィット。カメラを構えたとき目立ちすぎず、手にすっぽり収まるレンズのサイズは、そのようにして実現している。 

小型化のために解像力が犠牲になってしまうのでは、ラージフォーマットの意味がない。「一体型のメリットを活かした小型化と高画質の共存」と聞いて、X100Vからリニューアルされたレンズを思い出す人は少なくないだろう。その経験は本レンズでも発揮された。 

35mm(35mm判換算28mm)は見えているもの全てを記録するための画角であり、圧倒的な情報量を活かすためにも周辺までシャープであることが求められる。一億画素のどの部分が重要になるかはわからないのだ。一般的にキャンバスが大きければその分細部は誤魔化しやすい。しかしGFレンズはGFXのラージフォーマットセンサーでもXシリーズの密度感をそのままに細部まで解像するよう設計されている。拡大表示をしてもディテールが残っており、全画角表示では被写体の質感やその場の空気感までをも表現する。このGFレンズの開発コンセプトは一体型となっても揺らぐことはない。 

Photo by Reuben Wu 

レンズ一体型のため、マウント制約が無くなり光学設計の自由度が大幅に向上。高い精度で画質を追い込み、非球面レンズ2枚が球面収差と像面湾曲を抑制。また、小型化で曲率が大きくなったレンズに最適化されたNano GIコートを新規開発したことによってレンズ周辺部まで反射率を極限まで抑制し、ゴースト強度を低減した。中央だけでなく周辺まで均質な画質が得られる。 

Photo by Kirsten Luce 

レンジファインダースタイルならではの軽快さは、サイズだけではなくAFによっても達成されている。  

一方で、レンズ一体型は小型化により従来のGFXシリーズと比べ入射角が厳しく、位相差AFに必要な光量が少ない。GFX100S IIで好評の最新アルゴリズムを、レンズ一体型のGFX100RFで最適化されるようにファインチューニングしている。また、DCモーターを搭載することで高速・高トルクを確保。マウント通信のロスがないレンズ一体型設計と細やかな調整により、MF時にはピントリングの動きにスムーズに追従する。 

Photo by Giulio Di Sturco 

モーターの制御による最適化やグリス調整、部品の剛性を高め振動を物理的に減らしたことで、大きなレンズを高精度で動かすパワフルなDCモーターを使用しながらX100VIと同等の駆動音を実現している。また、NDフィルターを内蔵、最短撮影距離はレンズ先端から20cm、画質と利便性が高いレベルで共存している。