X CINEMA

映画に求められる色・トーンを追求し続け、「ETERNA」で結実

富士フイルムと映像の歴史は、1934年の創業にさかのぼる。 フィルムの国産化を目指して設立された富士フイルムが最初に商品化したのは、

映画フィルムであった。 富士フイルムは映画とともに歩み、 日本初のカラー映画では、富士フイルムの映画フィルムが採用された。 また、世界に先駆けて高感度化を進めたことで、国内外の数多くのヒット作に使用され、 映画界で栄誉ある米国「アカデミー科学技術賞 *1 」、「エミー賞*2」を受賞した。

21世紀に入り、富士フイルムの映画フィルムはさらなる進化を遂げる。 「ETERNA」を冠にしたシリーズを発売。 “Eternal(永遠なるもの)”を語源に持ち、 永遠に残る傑作・名作を映像クリエーターの皆さまに創造していただきたいとの願いを込めた「ETERNA」。 映像のデジタル化も見据えて設計されたものだ。

高い粒状性、シャドーからハイライトまで安定した階調バランス、グレーバランス、 映画で重視される黒・白、 そして美しい肌の色再現を重視した「ETERNA」は、 富士フイルムの映画フィルムへの支持を広げるとともに、 「アカデミー科学技術賞」*1 をはじめとする数々の栄誉を受け、高い評価を得た。

&mbsp; 「ETERNA」の開発において、カメラマンから聞いた色バランスに対する意見 ――黄色に寄せる、青みを抑えたグレートーンなどのアドバイスも、「ETERNA」に生かされている。

2007年からは、より彩度やコントラストの高い「ETERNA Vivid」を発売。 “色の富士フイルム”らしい鮮やかでカリッとした表現ができるフィルムとして愛された。

「かけがえのない瞬間を正しく美しく伝えたい」という思い。

フィルムの開発とともに富士フイルムが志向したのは フィルムの開発とともに富士フイルムが志向したのは、 「誰でもどこでも、きれいな写真・映像が撮れる」こと。 それは静止画でも動画でも変わらない。 1960年に「フジカ8 T3」で8mmムービーカメラを手掛け、 1965年には、フィルムマガジンをカメラにポンと入れるだけで 誰でも簡単にホームムービーが撮れる「シングル8」を発売した。 これが大いに話題になった。 「マガジン・ポン。私にも撮れます」というキャッチフレーズとともに家庭に広がり、 旅行やイベントを動画で残す「ホームムービー文化」の足がかりを作ったのだ。

一方、「シングル-8」は多方面からのニーズと技術開発により進化を遂げ、 高倍率ズーム、オートフォーカス、ハイスピード撮影、 また、プロの映像製作に欠かせないフェードイン・フェードアウト、 オーバーラッピングなどの機能を備えたうえ、 映画の主流である16mmカメラ用レンズマウントにも対応 映画界で撮影監督を目指すフロンティアたちの修練機になっていった。 一般普及機だと思われがちだが本格的な機能を備えたこのカメラで、 彼らは撮影技術を磨いていったのだ。

「シングル-8」が築いた映像文化は2方向ある。
映像文化の大衆化、そして、映像のプロに向けての基礎づくり。 ただ、根底にあるのは「かけがえのない瞬間を正しく美しく伝えたい」という思い。 そのカメラを富士フイルムは生み出していた。

FUJINON LENS TECHNOLOGY

富士フイルムのカメラを語るのに、高性能レンズ「フジノン」の存在は外せない。

新種の光学ガラス硝材の開発、プレス成形技術の開発などを成功させ、当時としては異例の明るさを誇った。 そして更なる高性能レンズの設計を迅速化するため、1956年には国産第1号電子計算機「FUJIC」を開発。 使用部品は2万個を数え、科学史上の重要な発明品として現在は国立科学博物館で展示されている。

この高画質への挑戦は、大判カメラ・中判カメラの進化により充実していく。 1970年代には営業写真とコマーシャルフォトのカラー写真化に合わせ、フィルムメーカーならではの自然な色再現とシャープネスの向上を追求した中判レンズと大判レンズをシリーズ化。

多層膜コート「SUPER EBC」なども含め、現在もデジタルカメラ用交換レンズ「XFレンズ」の高い評価の礎にもなっている。加えて、最大5段分の効果を発揮する手ブレ補正機能やボケ味を良化させるAPDフィルターなど新技術も開発。フジノンレンズは今もこれからも進化を続けていく。

富士フイルムの映画技術がデジタルで凝縮されて

 ここに誕生 「X Cinema」

映像製作に求められる画づくり、カメラ、レンズ。 富士フイルムはこの全てを独自開発し、長年培ってきた卓越した技術を有する 世界でも数少ないメーカーだ。
長く映像界に身を置き、映像文化を育み、発展させてきた富士フイルムだからできた プロの映像表現を、今、「Xシリーズ」で実現――「X Cinema」である。 新たな映像世界が「Xシリーズ」から広がっていく。

フィルムシミュレーション「ETERNA」

プロの映像表現を「Xシリーズ」でフィルムシミュレーション「ETERNA」

フィルムを選ぶように、表現者の意図に沿った色調・階調表現をワンタッチで変更できる 「Xシリーズ」ならではの「フィルムシミュレーション」において、 動画に最適な、富士フイルムの映画用フィルムの色再現技術を生かした「ETERNA」を搭載。 プロが愛した映画フィルム「ETERNA」の落ち着いた色と豊かなシャドートーンが 「Xシリーズ」で再現可能になり、ポストプロセスの自由度も飛躍的に向上。 完成度の高い映像収録ができる。

小型・軽量システム

撮影者の意のままに――瞬間を逃さず、時・シーンとシンクロする小型・軽量システムと拡張性

撮影者がカメラに縛られず、意のまま思いのままに……「カメラは作品を撮るための道具である」。 ミラーレスシステムにAPS-Cサイズセンサーを搭載した「Xシリーズ」は 小型軽量で高い機動性を誇りながらも、 独自の「X-Trans CMOS」センサーにより、豊かな描写表現、高い解像力を生み出す。 初めてカメラを持った人でもシャッターを押せば、ひと味違った映像が得られる。

合わせて、動画撮影に最適化されたフィルムシミュレーション「ETERNA」、 基本画質の低下を起こさない「ボディ内手ブレ補正機能」搭載、大型グリップ採用、 ハイスピード・スローモーション撮影対応など、 プロの映像撮影に最適、あるいは可能性を広げる仕様が多数盛り込まれている。 機動力、描写力、コストパフォーマンスに優れた「Xシリーズ」で ぜひ映像の腕を磨いてほしい。

MKX & XFレンズ

ミラーレスカメラでプロの映像表現を動画撮影に最適化された「MKXレンズ」

一瞬をとらえる静止画と、一定時間、映像を撮り続ける動画では、 本来、レンズの仕様が異なる。 撮影しながらのズーミング、画角の切り替わり、ピント位置の移動、露出変化などがある動画撮影において、 切り替え時のピントや光軸、画角のズレを抑制するため、 映像用レンズはフォーカス、ズームが独立した機構になっている。 高度な設計・制御が必要となり、それが映像用レンズが大きく重く、高い理由のひとつだ。

「Xシリーズ」では、放送用・シネマ用レンズ開発で培った技術を最大限生かし、 動画撮影に最適化しながらも小型・軽量化した「MKXシリーズ」をラインアップ。 静止画用レンズでの動画撮影時の課題を解決したうえ、機動力を持ち、 画面全域での高い解像度、焦点距離全域での明るいF値によるボケ味を生かした撮影できる。 プロの映像機材と同じ機構ゆえ、映像のプロのカメラワーク・技術を体感、習熟も可能だ。

MOVIE

A Different Beyond -本編

メイキング・オブ「A Different Beyond」

Notes

*1 民生用レンズ交換式ミラーレスデジタルカメラとして。 2018年9月25日現在。当社調べ。

*2 2018年9月25日現在。当社調べ。