ある意味、もっともピュアな写真はストリートフォトかもしれない、と思うことがあります。
「そもそもピュアとは、どんな意味?」という素朴な疑問もあります。
ピュア(=Pure)とは、純粋なとか混じりっ気のないというような意味ですが、ストリートフォトはその撮影スタイルがまずピュアと言えるでしょう。
それから、ストリートフォトの面白さは、予期せぬ光や瞬間、それらが組み合わさったものとの邂逅にあると思いますが、外に出れば必ずそれらに遭遇するわけでもなく、ひたすらそれを探しにいく過程そのものにも楽しみを感じているようです。それは、撮影したいというモチベーションが非常に純化されたかたちにも見えます。
最後に、ストリートフォトは表現の仕方がとてもピュアだなと感じます。
今回の写真展では5名の作家による作品が並んでいますが、どの一枚にも特別な被写体、著名な被写体は写っていません。光・構図・露出という写真の基本的な要素だけで、印象的でそれぞれの作家の個性が感じられる写真が成立していると思います。
彼らの写真を見るたび、写真は”ものの見方”なんだなということを思い出します。
写真にしたらとっても素敵な瞬間が、いつもストリートのどこかで起こっているはずです。