お気に入りのレンズをのぞいてみると、幾重にも光学ガラスが重なりあってるのがわかります。手にとって、いろんな角度から光をあてれば、まさしく千変万化の表情を見せてくれます。小さなものでも5~6枚。複雑な構成のものならば20枚もの光学ガラスを使うレンズを通じて描き出される光の軌跡に、ロマンを感じるのは当然のことでしょう。
もちろんレンズも、工業製品であり、最先端の技術を注ぎ込まれて開発・製造されるわけですから、性能を語る場合での上下はあります。
今回FUJIFILMが発表した、GF250mmF4、XF8-16mmF2.8、XF200mmF2といったレンズ群はまさしくその中でも筆頭たるものであり、長年培ってきた設計技術・製造技術、または新規投入される試みなど、内容を語るに紙幅をいくらでも費やせるエピソードや数字的優位性を持っています。
また、だからこそ畏れを込めて”MONSTER GLASS(化け物級のレンズ)”というプロジェクトが企画されたわけですから。
しかし、MONSTER GLASSの最も優れたスペックの一つは、撮影者をその気にさせるということです。今回の写真展では、5名のX-Photogapherの作品で構成されていますが、こんなレンズを持たされて、成果ゼロで家に帰るわけにはいかないでしょう?