”システム”カメラとは実によくできた言葉だと思います。
統一された規格(これがシステムとよばれる理由の一つでしょう)のもとに設計されたボディとレンズ、そしてアクセサリを組み合わせることで、様々な性格や特徴を持つ撮影機材が仕上がるのです。
その組み合わせの妙が、カメラ趣味・撮影趣味の大事な要素であることは間違いありません。憧れのプロ写真家とは同じセッティングを試してみたいものですし、撮影現場で居合わせた人が、見たこともない組み合わせで撮っているのをみてびっくりすることもあるでしょう。システムカメラの懐の深さを感じる瞬間です。
さてGFX 50S、”中判”と聞くと急にその用途を狭めて考えがちです。
スタジオの中で、コンピューターとつないで撮影するものであり、外で撮影するときには大きな三脚を持っていかなくてはならないものであり、などなど。
もちろんGFX 50Sに、GF110mmを装着すればすばらしいポートレート撮影機になりますし、GF23mmを装着して、山に登りたい風景写真家は数知れないでしょう。
しかし、それがGFXというシステムカメラの守備範囲だと考えるのはちょっともったいないかもしれません。先般、発表されたGF45mmF2.8 R WR。これを装着することで、GFX・そして中判デジタルカメラの新しい世界が見えてきます。
35mm判換算で、換算焦点距離35mm。GFレンズで最軽量クラスのこのレンズならば、”持ち歩く”ための中判システムというソリューションが生まれてきます。